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ブラザー MFC-J1500N 純正インクと再生インク、実際どっちがいい? リアル使用レポートと選び方まとめ

「再生インクって本当に大丈夫?」——この記事では、ブラザー MFC-J1500N(J1500シリーズ)で純正インク(LC3135 / LC3133)から再生インクへ切り替えた実体験をもとに、コスト・印刷品質・トラブルリスクを包み隠さずレポートします。紙の専門店として日々さまざまなプリンター用紙・インクを扱う立場から、正直な見解もお伝えします。



①対象機種とインク型番の確認

まず前提の整理から。ブラザーの大容量インクジェット複合機シリーズ(J1500N・J6000 / J7000系など)では、LC3133(標準容量)LC3135(大容量)の2種類が主なカートリッジです。

型番 容量 純正参考価格 印刷可能枚数目安
LC3135BK 大容量 ブラック 約3,300円 約6,000枚
LC3135C/M/Y 大容量 シアン/マゼンタ/イエロー 各約2,000〜2,400円 各約5,000枚
LC3133BK 標準 ブラック 約1,980円 約3,000枚
LC3133C/M/Y 標準 シアン/マゼンタ/イエロー 各約1,500〜1,700円 各約1,500枚
ℹ️ 補足:J1500NシリーズはLC3135(大容量)での運用が基本設計です。LC3133(標準容量)を混用すると、カートリッジごとのインク消耗スピードがバラつくことがあります。今回のレポートはまさにこの混用ケースです。



②純正 vs 再生インク コスト比較
比較項目 純正インク(LC3135) 再生インク(楽天購入)
4色セット価格の目安 約8,000〜10,000円 約2,000〜3,500円
残量カウンター表示 ✔ 正常表示 ✘ 表示されないことがある
初期不良リスク ✔ メーカー保証あり △ 販売店対応のみ
プリンター保証への影響 ✔ 影響なし △ 故障時に原因とみなされる可能性
印刷品質 ✔ 安定 △ 製品・ロットによる差大
インク量の信頼性 ✔ 公称通り △ 実測で少ない場合あり
⚠️ 落とし穴:再生インクの「3本セット2,980円」は確かに安い。しかし1本あたりの実際の印刷枚数が純正より少なかった場合、コスパが逆転することがあります。「1枚あたりのコスト」で比較することが重要です。



③実際に起きたトラブル(体験レポート)

🖊 実体験レポート

トラブル①:「不明なカートリッジ」エラーと残量カウンターの消失

楽天市場で3本セットの再生インク(LC3133互換)を購入。1本目をセットした直後から「不明なインクがセットされています」というメッセージが表示され、残量カウンターがゼロのまま動かない状態に。

ブラザーのプリンターには「あと何枚印刷できるか」を示すカウンターがあり、これが表示されないと交換タイミングがわからず非常に不便。購入先に問い合わせたところ、「カートリッジのチップ部分をジッパー(端子)で軽く擦ってみてください」という案内が。何度か試みたが改善せず。

販売店からの回答(要約)
販売店の説明 実際どうだったか
「自然に直ることがある」 ✘ 直らなかった
「カウンター不表示でも純正より多くインクが入っている」 △ 確認不可(カウンター非表示のため)
「残量ゼロ表示のまま使うとプリンターが壊れる場合がある」 △ プリンター側のアラートで交換できた
トラブル②:シアンのみ異常に早く消耗

LC3133(標準容量)のシアンを2本使ったが、LC3135(大容量)のマゼンタ・イエロー・ブラックよりも明らかに早く消耗。数百枚の印刷で交換が必要になった。

写真や色の多い印刷ではシアンの消耗が激しくなるため、再生インクの「多めに入っている」という説明が実態と合っていない可能性が浮上。



④J1500シリーズの大容量インク機構を理解する

J1500Nのような大容量インクジェット機は、通常の機種とは異なる「バッファタンク方式」を採用しています。

方式 説明 再生インクとの相性
通常方式 カートリッジから直接ヘッドにインクを供給 比較的シンプル
バッファタンク方式(J1500系) カートリッジ→本体内タンク→ヘッド、という2段階供給 カートリッジが空でも本体タンク分だけ印刷が続くため「いつ切れたか」が把握しにくい
💡 今回「プリンター側からインク交換アラート」が鳴ったのは、この本体内タンクが空になったタイミングと思われます。カートリッジ自体は先に空だった可能性があり、再生インクのカウンター非表示がいかに危険かを示す事例です。



⑤再生インクの5大リスク

チップ不良率
⚠️
製品差が大きい

残量管理
表示不可リスクあり

品質安定性
ロットによる差

保証サポート
メーカー保証なし

# リスク 具体的な影響 対策
1 チップ認識エラー 「不明なインク」表示・残量カウンター消失 信頼できるブランドを選ぶ
2 インク量の過少充填 実際の印刷枚数が大幅に少ない 枚数あたりコストで純正と比較
3 色再現性のばらつき 色ムラ・ヘッド詰まりリスク 写真・精密印刷には使わない
4 プリンター本体へのダメージ 低品質インクが原因でヘッドが詰まる・故障 修理費と節約額を比較検討
5 メーカー保証の失効 故障時の無償修理が断られることがある 保証期間中は純正使用を推奨



⑥再生インクと上手く付き合う方法
再生インクが向いているケース
条件 おすすめ度 理由
テキスト中心の大量印刷(社内文書など) 色の精度より枚数コストが優先
古いプリンター(保証切れ)での使用 メーカー保証を気にしなくていい
写真・グラフィック印刷 色差・ムラが出やすい
プリンターの保証期間中 故障時に保証適用外となるリスク
ヘッド詰まりが起きやすい機種 修理費が節約額を上回る可能性
再生インクを選ぶなら「信頼できるブランド」を見極める3つのポイント
① ICチップを「新品」で搭載しているか確認する
リサイクルされたチップを使い回しているメーカーは認識エラーが起きやすい。商品説明に「新品チップ採用」と明記しているかチェック。

② 返品・交換対応が明確か
初期不良時の対応ポリシーを購入前に確認。「不良品は全額返金」や「即日交換」を謳っているショップは比較的信頼度が高い。

③ 長期間のレビューを読む
購入直後の高評価レビューより、「3ヶ月後」「100枚印刷後」といった使用経過が書かれたレビューのほうが実態を反映しやすい。



⑦結論:純正・再生、どちらを選ぶべきか
あなたのケース 推奨
プリンターが保証期間中 純正一択(保証を守る)
写真・グラフィックを高品質で印刷したい 純正一択
テキスト中心、保証切れ、コスト重視 信頼できる再生インクブランドに絞る
とにかくコストを下げたい エコタンク式プリンターへの買い替えも検討

🏪 松本洋紙店より — 紙屋の視点からひとこと

今回の体験は、インクの話でありながら「用紙選び」にも通じる話だと感じました。インクも用紙も、「安い・高い」という軸だけでなく「何を印刷するか・どんな場面で使うか」で最適解が変わるものです。

特に写真や名刺・ラベル・カタログなど、見た目の品質が信頼につながる印刷物には、インクも用紙もケチらないほうが結果的にコスパがいい。逆に社内資料・メモなら再生インク+普通紙で十分です。

「この用紙でどんな印刷をするか」を起点に、必要な品質水準のインクと組み合わせてこそ、はじめて良い結果が出る。 インクも用紙も、組み合わせで考えるのがベストです。




⑧よくある質問

Q.再生インクを使うとプリンターの保証は無効になる?

明確な規定はメーカーによって異なりますが、ブラザーを含む多くのメーカーは「純正品以外のインク使用による故障は保証対象外」とすることがあります。保証期間中は純正インクの使用が無難です。

Q.「不明なカートリッジ」エラーはすべての再生インクで起きる?

すべての製品ではありませんが、チップの品質管理が甘いメーカーでは起きやすい問題です。新品ICチップ搭載を謳っているメーカーを選ぶことでリスクを下げられます。

Q.シアンだけが早くなくなるのはなぜ?

カラー印刷では一般的にシアン(青系)の消耗が早い傾向があります。特に写真・グラフィックを多く印刷する場合、シアンとマゼンタの消耗が先行します。再生インクの場合、充填量が実際に少ない可能性もあります。

Q.LC3133とLC3135を混用してもいい?

動作上は問題ありませんが、容量差があるため消耗ペースがバラつきます。できれば同型番で揃えたほうが管理がしやすいです。

Q.インクコストをとにかく下げたい場合、他に選択肢は?

エプソンのEW-M754T・ブラザーのDCP-J926N-Wなどの「エコタンク(タンク型)」機種への買い替えが長期的には最もコスパがよいです。インクボトル補充式のため、1枚あたりのコストが圧倒的に下がります。


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