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背面給紙×エコタンクのA4プリンター比較【Epson vs Canon】Canon iP3600みたいな名機が懐かしい

その昔 キャノンにip4000→4100→4200などの今でも懐かしい名機がありました。弟分みたいなip3600といのもありましたが、こちらは連続給紙がとてもしやすく使い勝手が良かったです。「Canon iP3600みたいに背面給紙が使えて、インク代が安いプリンターってないの?」——そんな相談、ヘビーユーザーから聞かれることがあります。

結論から言うと、エコタンク(大容量インクタンク式)+背面給紙の組み合わせはちゃんと存在します。ただし、EpsonとCanonで設計思想がかなり違うので、買う前に両社の違いをしっかり理解しておくことをおすすめします。

① まず結論:どちらを買えばいい?(早見表)
こんな人 おすすめ機種 メーカー
写真・デザインサンプルを綺麗に出したい EP-M476T Epson
とにかく安く始めたい(月200枚程度) EP-M553T Epson
月500枚以上、普通紙中心で大量印刷 GX5030 Canon
スキャン・コピーも使いたい(家庭用複合機) GX1030 Canon
止まらず安定して使い続けたい(業務寄り) EW-M678FT Epson

② 背面給紙プリンターが今も人気な理由

最近のインクジェットプリンターは、カセット式の前面給紙が主流です。コンパクトに設計できる反面、紙の搬送経路が複雑になるため、厚みのある紙や剛性の高い紙は詰まりやすいという欠点があります。

一方、背面(リア)給紙は紙がまっすぐ短い経路でヘッドに到達するため、給紙トラブルが起きにくく、ある程度厚みのある紙にも対応しやすい。Canon iP3600が長年支持されてきた理由のひとつはまさにここです。

📌 ポイント:「背面給紙あり」は現行機では決して当たり前ではありません。エコタンク機でこの条件を満たすのは、現状ほぼEpsonとCanon GXシリーズに絞られます。

③ Epsonエコタンク系の背面給紙モデル一覧

Epsonのエコタンク(EcoTank)シリーズは、背面給紙の実装が比較的丁寧で、紙送り精度が高い機種が揃っています。

機種名 価格帯(参考) 背面給紙 こんな人向け
EP-M553T 約2万円 安く始めたい・月200枚程度
EP-M476T 約2.6〜3万円 バランス重視・月500枚まで
EW-M678FT 約4.9万円 ADF付き・業務寄りで止まりたくない人

Epsonの強みは発色の良さと紙送り精度の高さ。写真や色見本を綺麗に出したい用途では、同価格帯のCanon機よりも一段上の表現ができます。

④ CanonギガタンクGXシリーズの実力

Canonのギガタンク搭載「GXシリーズ」は、業務寄りの耐久性とランニングコストの低さが強み。背面給紙も搭載していますが、Epsonと比べると機構がシンプルで、厚紙への対応力はやや控えめです。

機種名 価格帯(参考) 背面給紙 こんな人向け
GX1030 約3万円 コピー・スキャンも使いたい家庭向け
GX5030 約5万円 普通紙を月500枚以上・印刷専用機
GX4030 約5.7万円 ADF付き・業務連続印刷

CanonのGXシリーズはインクボトル1本あたりの印刷枚数が非常に多く、黒インクで最大約6,000〜9,000枚、カラーで最大約14,000〜21,000枚(メーカー公表値)。純粋な印刷コストの安さでは最強クラスです。

なお「G1330」は同じCanonのタンク式ですが、GXシリーズより前世代の設計で給紙構造が簡易的。月500枚以上の安定運用には余裕がなく、現時点ではGXシリーズの選択を優先することをおすすめします。

⑤ Epson vs Canon 背面給紙エコタンク徹底比較
比較項目 Epson
(EP-M476T代表)
Canon
(GX5030代表)
背面給紙の精度・安定感
発色・写真クオリティ
ランニングコスト
業務用耐久性
厚紙・特殊紙への対応力
エントリー価格の安さ ◎(EP-M553T) ○(GX1030)
普通紙の大量印刷
iP3600ユーザーへの親和性
📌 一言まとめ:「紙の自由度・発色」ならEpson。「普通紙の大量印刷・業務耐久性」ならCanon。どちらもランニングコストは優秀。

⑥ ランニングコストのリアルな話

カートリッジ式(TR703aなど)と、エコタンク・ギガタンク式では、月500枚を超えたあたりからコスト差が顕著になります。

インク方式 A4カラー/枚コスト(目安) 月500枚の年間コスト(目安)
カートリッジ式(TR703aなど) 約12円 約7.2万円〜
エコタンク・ギガタンク式 約1〜3円 約0.6万〜1.8万円

月500枚以上を継続的に印刷するなら、カートリッジ式は選ばない方が無難です。初期費用がやや高くても、1〜2年でエコタンク・ギガタンク機の方がトータルで安くなります。

🏪 松本洋紙店からの独自コメント

紙を扱う立場から正直にお伝えすると、プリンターのスペック表で「背面給紙あり」と書かれていても、実際の紙送り精度は機種によってかなり差があります。特に0.26mmを超えてくると、簡易的な背面給紙機構では詰まりや斜め送りが出やすい。

Epsonのエコタンク系(特にEP-M476T)は、同じ「背面給紙」でもローラーの設計が丁寧で、当店で扱うような少し厚めのマット系用紙でも安定して通りやすい印象です。

Canonのギガタンク(GXシリーズ)は普通紙をガンガン印刷する用途には本当に強くて、コスト面では文句なし。ただし、ちょっと変わった紙・特殊紙を試したいというニーズには、Epsonの方が結果的にストレスが少ない傾向があります。

「iP3600やip4200、ip4830などの後継機を探している」という方には、個人的にはキャノンのG1310がいいんじゃないか、とお伝えしています。「使いやすさ」の感覚に一番近い気がします。

⑧ よくある質問(FAQ)

Q. エコタンクとカートリッジ、インクの品質は変わりますか?
A. 同じメーカー・同じ印刷設定であれば、発色や品質は基本的に同じです。エコタンク・ギガタンクのインクは純正インクをそのまま大容量で提供しているため、品質面で劣るということはありません。コスト差はあくまでボトル単価と容量の構造的な違いによるものです。

Q. Canon G1330はGXシリーズと何が違うの?
A. G1330はGXシリーズの前世代にあたるエントリーモデルで、給紙機構がシンプルな分、月500枚以上の継続運用には余裕がありません。GXシリーズは給紙精度・耐久性・管理性がワンランク上で、同じ大容量タンク式でも設計思想が異なります。安さを重視するなら選択肢に入りますが、月500枚を超えるなら素直にGXシリーズを選んだほうが結果的にストレスが少ない。

Q. iP3600から乗り換えるなら、まずどれを選べばいい?
A. 「とりあえず1台」ならキャノンのG1310をおすすめします。背面給紙の精度、発色、ランニングコストのバランスが最もiP3600的な使い方に近い。印刷量が月1,000枚を超えてくるようならCanon GX5030も視野に入れてください。
Q. 2台持ちって本当に必要ですか?
A. 用途が明確に分かれるなら有効です。「厚紙・特殊紙を少量試し刷り」+「普通紙を大量印刷」という使い方なら、1台に両立させようとするより2台に分けた方がトラブルが少なく長持ちします。ただし一般家庭の用途であれば、まずEP-M476Tの1台で試してみて、不満が出てから考えるくらいで十分です。

Q. EW-M678FTはどんな人に向いていますか?
A. 「絶対に止まってほしくない・連続印刷に強いものが欲しい・ADFでまとめてスキャンもしたい」という方向けです。個人の家庭用途には少し過剰スペックになりますが、小規模オフィスや副業でプリンターをガンガン使う方には、長い目で見てコスパが良い選択肢です。

⑨ まとめ
  • 「背面給紙 × エコタンク(大容量インク)」の組み合わせはEpsonとCanon GXシリーズが現実的な選択肢
  • 発色・紙の自由度を重視するならキャノンのG1310が最もバランスが良い
  • 普通紙を月500枚以上・業務的に大量印刷するならCanon GX5030も有力
  • 月500枚以上ならカートリッジ式は年間コストで大幅な損になる
  • iP3600や4830からの乗り換えには、まずEP-M476TかキャノンのG1310を試してみることをおすすめ