「もう1人の松本」をAIで作る——そんな壮大な計画のはずが、いざやってみると知らない言葉のオンパレード。API、バッチ処理、Claude Code、MCP接続……毎日が格闘です。
今回はその奮闘の記録、第1回目をお届けします。
きっかけは「暗黙知」という概念でした。簡単に言えば、自分の頭の中にある知識・判断基準・経験則をAIに覚えさせて、自分がいなくても動ける仕組みを作るという取り組みです。
松本洋紙店は、紙のことならなんでも相談できるお店。でも正直なところ、「なぜこの紙がこの用途に合うのか」「このお客様にはこう返信する」という判断の多くは、私の頭の中にしかありません。いわゆる暗黙知(あんもくち)です。
松本がいなければ回らない。ベテランスタッフしか知らない。それって、会社としてはリスクですよね。だから「もう1人の松本」をAIで作ろうと思い立ちました。
「じゃあまず、お客様とのやりとりを全部データにしよう」と思いました。
過去20年分のメールを確認してみると、3万通以上のやりとりがありました。問い合わせから返信まで含めるとものすごい量です。でも、なんとかツールを駆使してメールのデータ抽出に成功。
「これをAIに学習させれば、もう1人の松本ができる!」——と、このときは楽観的でした。
問題はその次でした。「数千〜数万件の大量データを安定的に処理するには、API接続が必要」と言われたのです。
API? なんのことやら。Claude Codeを使えばできるんじゃないの?と思いましたが、どうやら普通のソフトやチャット画面では、大量データの安定処理には不向きなようです。
しばらく調べて、ようやく理解できたのは:
- 通常のチャットUI → 少量・対話向き
- APIキー接続 → 大量データをプログラムで自動処理できる
メールの取得自体は無料でも、Claudeに処理させる部分はAPIを使うと費用がかかる。
最初に5ドル分のクレジットを購入してスタートすることにしました。
| 方法 | 大量処理 | コスト | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| チャットUI(Claude.ai) | △ | 月額固定 | 日常的な対話・少量の作業 |
| 通常API | ◯ | 従量課金(高) | 即時処理が必要な自動化 |
| バッチAPI | ◎ | 通常APIの約半額 | 時間がかかってもOKな大量処理 |
次に悩んだのが「通常のAPIにするかBatches:バッチーズ??バッチ処理(Batch API)にするか」という選択です。
最近やっとMCP接続とAPI接続の違いがわかってきたところなのに、また新しい言葉が出てきました(笑)。
自分なりに整理すると、こんな感じです:
バッチAPI = 「急がないから夜間まとめてやっといて」→ 時間はかかるけど約半額
パソコン相談所で数時間かけて処理を走らせたところ、データの抽出はうまくできました。これは素直にうれしかったです。
ただ、データが取れた=完成ではありませんでした。抽出したデータを「使える形」に構造化するのが、これまたひと苦労。
「問い合わせ内容」「返信内容」「紙の種類」「お客様の業種」……これらをうまく分類・整理して、AIが判断に使えるデータベースにする必要があります。山はまだまだ続きます。
| ステップ | 内容 | 状況 |
|---|---|---|
| ① メール抽出 | 20年・15,000通以上のメールを取得 | ✅ 完了 |
| ② APIキー取得 | Anthropic APIキーを発行・バッチ処理を選択 | ✅ 完了 |
| ③ バッチ処理実行 | パソコン相談所でデータ処理を実施 | ✅ 完了 |
| ④ データ構造化 | 抽出データを使えるデータベースに整理 | 🔄 進行中 |
データを取るだけでは終わらない。これを整理して、AIが「松本らしい」答えを出せるようにするのが本当のゴール。まだまだ道のりは長そうですが、面白くなってきました。
次回は、構造化データをどうAIに読み込ませるかの格闘記をお届けする予定です。乞うご期待!(2日目に続く)


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