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【2023年上半期決定版】注目の新作大判プリンター3機種とライバル2機種を紹介&比較

エプソン プリンター SC-P8550DL

8月を迎え、2023年も折り返し点を過ぎて1カ月以上経ちました。そこで今回の記事では、2023年上半期に発売されたプリンターの中から、とくにビジネスシーンで使われる大判プリンターをピックアップして紹介します。

エプソン、キヤノンから新発売された3機種に、ライバルとなる2機種を加えた計5機種を紹介しています。ちょうどプリンターの買い替えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

2023年上半期で注目の大判プリンターは?

2023年上半期も、主要メーカーからさまざまなプリンターが発売されました。その中から、エプソンから発売された6色機5機種9モデルから2機種と、キヤノンから発売されたデスクトッププリンター1機種を取り上げます。それぞれ、6色機ながら8色や9色のプリンターに匹敵する高画質を実現したプリンターと、コンパクトなサイズにスキャナ機能も搭載したプリンターです。

ライバル機としては、それぞれキヤノンとHPの製品を取り上げています。とくに大判プリンターの新規導入や買い替えを検討されている方は、選択肢の1つとして考えてみてください。

6色インクで高画質を実現した大判プリンター エプソン「SC-P8550DL」

SC-P8550DLは、ブラック2色とカラー3色に加えてグレーを加えた6色インクの大判プリンターです。グレーインクを採用したことによって、9色インクを搭載した従来機種と同等の高品位な印刷を可能にしています。大容量インクサーバーを搭載したことによる、低ランニングコストも魅力です。

なお、SC-P8550DLは、B0プラスサイズまで対応したプリンターです。グレーインク搭載の新機種として、A1プラスサイズ対応のSC-P6550D/DE/Eの1機種3モデルもほぼ同時期に発売されています。

SC-P8550DLの特徴

●グレーインクを含む6色インクによる高画質
SC-P8550DLは、グレーインクを採用したことにより、滑らかな階調性と低粒状性を実現しています。超高精細モードで印刷すると、同社の9色機SC-P8050のきれいモードと同等の写真画質を実現することができます。搭載しているインクは、6色すべて耐久性に優れた顔料インクです。

●大容量インクサーバー搭載で印刷コストを低減
本製品には、大容量1600mlのインクサーバーが搭載されています。インクカートリッジ式の製品と比べて、インクを交換する回数が少なく済み、予備のインクをストックしておくスペースも小さくて済みます。

●使い勝手の良いダブルロールモデル
本製品は、ロール紙を2本セットできるダブルロールモデルです。サイズが異なるロール紙をセットして、ロール紙交換の手間を無くして効率を上げたり、同じサイズのロール紙を2本セットして、給紙容量を増やしたりできます。上段のロール紙給紙装置は、巻き取り装置に変更も可能です。これを使えば、オペレーターがいなくても連続印刷ができます。

SC-P8550DLの仕様

●価格
参考:88万1135円(税込み・楽天市場23/7/23現在)

●ランニングコスト
B0ポスター:約200円

●対応インクパック
SC26BK160 フォトブラック
SC26C160 シアン
SC26M160 マゼンタ
SC26Y160 イエロー
SC26MB160 マットブラック
SC26GY160 グレー
※各約4万9043円~(楽天市場23/7/23現在)

鮮やかな赤を表現できる6色インク大判プリンター「SC-T3750E」

SC-T3750Eは、先ほど紹介したSC-P8550DLと同様に6色インクを搭載したプリンターです。相違点としては、グレーインクの代わりに鮮やかな赤を再現するレッドインクが採用されています。赤を際立たせたいPOPやポスターの印刷がしたいなら、レッドインク搭載機種がおすすめです。

2023年上半期発売のエプソンのレッドインク搭載のプリンターは、B0プラス対応のSC-T7750DLと、A0プラス対応の機種のSC-T5750Dがあります。A1プラス対応の機種としては、ここで紹介するSC-T3750Eのほかに、バリエーション機としてSC-T3750D/DEの2モデルもあります。

SC-T3750Eの特徴

●多彩な赤を表現できるレッドインク搭載
SC-T3750Eには、レッドインクが搭載されています。ルージュの口紅や深紅のバラというような、鮮やかな赤を表現したいときに威力を発揮するプリンターです。CAD・GIS用途向けにも使用される機種ではありますが、赤を際立たせたいポスター類などの印刷にも適したプリンターです。

●2.64インチの大型ヘッド採用で印刷スピードが速い
本製品は、従来機の1.33インチから2.64インチに大型化したプリントヘッドを採用。印刷スピードを速めることに成功しています。A1横ポスターをドラフト、双方向印刷オンで印刷した場合、約16秒の短時間で印刷できます。大量印刷時の時間短縮が可能で、業務効率アップに貢献します。

●無駄のない箱型デザインと便利なフラット天面
奥行きが50cmを切る箱型のデザインで、スペースを無駄にすることなく省スペースで設置できます。天面がフラットなので、プリンターの上で印刷物を確認したり、パソコン操作をしたりするのに便利です。

SC-T3750Eの仕様

●価格
参考:43万7772円(税込み・楽天市場23/7/23現在)

●ランニングコスト
A1ポスター:約63円
A1 CAD:約11円

●対応インクカートリッジ
SC27BK70 フォトブラック 700ml
SC27C70 シアン 700ml
SC27M70 マゼンタ 700ml
SC27Y70 イエロー 700ml
SC27MB70 マットブラック 700ml
SC27R70 レッド 700ml
SC27BK35 フォトブラック 350ml
SC27C35 シアン 350ml
SC27M35 マゼンタ 350ml
SC27Y35 イエロー 350ml
SC27MB35 マットブラック 350ml
SC27R35 レッド 350ml
SC27BK11 フォトブラック 110ml
SC27C11 シアン 110ml
SC27M11 マゼンタ 110ml
SC27Y11 イエロー 110ml
SC27MB11 マットブラック 110ml
SC27R11 レッド 110ml
※700ml 各約2万8100円~、350ml 各約1万7700円~、110ml 各約7700円~(Amazon23/7/23現在)

高画質と高速印刷を両立したプリンター「PRO-4100S」

PRO-4100Sは、2020年発売のキヤノンの8色機です。上位機種のPRO-4100は12色機となります。発色性と光沢性を向上させた、新開発の顔料インクを採用。高画質と高速プリントを両立させたプリンターです。B0サイズ対応のプリンターで、実売価格ではエプソンの新作SC-P8550DLよりも若干低価格で販売されています。

PRO-4100Sの特徴

●新開発の顔料インク「LUCIA PRO」の8色インクを採用
PRO-4100Sには、新開発の「LUCIA PRO」インクが採用されています。色材をマイクロカプセル化することによって用紙上のインクの配列が緻密になり、発色性と光沢性が上がっています。8色は、黒2色と基本3色の他に、グレー、フォトシアン、フォトマゼンタが採用されています。

●高画質と高速印刷を両立させるプリントヘッド
エプソンの新作プリンターの2.64インチにはおよびませんが、1.28インチの長尺ヘッドを採用しています。マットブラックとカラー3色の基本4色については、ノズルを左右対称に配置しています。左右対称のミラーノズル配置により、双方向印刷のときにインクの吐出順がそろい、色むらなどの印刷品質の低下を防ぎつつ高速での印刷が可能です。

●3種類のインクタンクとストップレス交換システム
本製品のインクタンクは、160ml、330ml、700mlの3サイズが販売されています。混在使用が可能なので、使用頻度に合わせて容量を調節でき、無駄なコストを減らせます。また一定量のインクがサブタンクに蓄えられるシステムを採用しているので、インクが空になっても印刷が止まりません。ダウンタイムが発生せず、インクも最後まで使い切れます。

PRO-4100Sの仕様

●価格
参考:75万9879円(税込み・楽天市場23/7/23現在)

●ランニングコスト
B0ポスター:約187円

●対応インクカートリッジ
PFI-1700 MBK マットブラック 700ml
PFI-1700 PBK フォトブラック 700ml
PFI-1700 C シアン 700ml
PFI-1700 M マゼンタ 700ml
PFI-1700 Y イエロー 700ml
PFI-1700 PC フォトシアン 700ml
PFI-1700 PM フォトマゼンタ 700ml
PFI-1700 GY グレー 700ml
PFI-1300 MBK マットブラック 330ml
PFI-1300 PBK フォトブラック 330ml
PFI-1300 C シアン 330ml
PFI-1300 M マゼンタ 330ml
PFI-1300 Y イエロー 330ml
PFI-1300 PC フォトシアン 330ml
PFI-1300 PM フォトマゼンタ 330ml
PFI-1300 GY グレー 330ml
PFI-1100 MBK マットブラック 160ml
PFI-1100 PBK フォトブラック 160ml
PFI-1100 C シアン 160ml
PFI-1100 M マゼンタ 160ml
PFI-1100 Y イエロー 160ml
PFI-1100 PC フォトシアン 160ml
PFI-1100 PM フォトマゼンタ 160ml
PFI-1100 GY グレー 160ml
※700ml 各約2万3300円~、330ml 各約1万6500円~、160ml 各約1万円~(Amazon 23/7/23現在)

スキャンもできるデスクトップタイプの大判プリンター「TC-20M」

自宅にも置きやすい、コンパクトなデスクトップタイプの大判プリンターとしてTC-20が発売されたのは2023年1月26日でした。このTC-20にスキャナ機能を搭載したTC-20Mが、2023年4月20日に発売されています。基本仕様はTC-20とほぼ同じですが、スキャナ機能が追加されたことで、より用途が広がった製品です。

imagePROGRAF TC-20Mの特徴

●A4サイズまで読み取れるフラットベッドスキャナ搭載
TC-20Mには、A4サイズまで読み取れるフラットベッドスキャナが搭載されています。手書きのポップやイラストなどを読み取り、拡大して印刷が可能です。また、フラットベッドスキャナなので、本などの厚みのある原稿のスキャンも綺麗にできます。原稿台の約2倍のサイズまでであれば、二度に分けてスキャンした画像を自動で貼り合わせ、1つの画像にできます。

●机や棚にも設置できるコンパクト設計
TC-20Mはスキャナ機能が追加されたため、重さはTC-20よりも1kgほど増えていますが、本体サイズは変わりません。968×525×245mmの机や棚にも設置できる大きさなので、自宅でテレワークをする場合や、店舗のバックヤードなどに置く場合にも置き場所に困りません。

●大容量インクボトルを採用
本製品には、各色70mlの大容量のインクボトルが採用されています。インクを補充する手間が少なく、業務効率が上がります。搭載している4色のインクは全色顔料インクで、にじみが少なく発色性が良いのも特徴です。

imagePROGRAF TC-20Mの仕様

●価格
参考:13万1594円(税込み・Amazon 23/7/23現在)

●ランニングコスト
A1 CAD:約18円
A1 ポスター:約104円

●対応インクボトル
PFI-050BK ブラック
PFI-050C シアン
PFI-050M マゼンタ
PFI-050Y イエロー
※ブラック 約5000円~、カラー 各約6000円~(Amazon 23/7/23現在)

A1サイズも読み込める「DesignJet T830SE MFP A1モデル F9A28L#BCD」

DesignJet T830SE MFP A1モデルも、TC-20Mと同様にスキャナ機能を搭載したデスクトップタイプの大判プリンターです。幅610mmまでの原稿の読み取りが可能で、A1プラスの原稿も読み取れるのはTC-20Mよりも優れた点です。実売価格はTC-20Mよりも高くなりますが、大判の原稿を読み取りたい場合は有力な候補となる製品です。

DesignJet T830SE MFP A1モデル F9A28L#BCDの特徴

●プリントできる幅と同じサイズのスキャンが可能
DesignJet T830 MFPシリーズは、印刷可能な原稿と同じ幅のスキャンが可能です。ここでご紹介しているDesignJet T830SE MFP A1モデルの場合、幅610mmまでの用紙の印刷とスキャンができます。

●スタンドレスのデスクトップタイプ
スタンドが付属するモデルもありますが、DesignJet T830SE MFP A1モデルはスタンドレスタイプです。そのため、机の上に置いて使えます。TC-20Mよりもサイズはやや大きくなりますが、1098×629×320mmのコンパクトなサイズです。重さも36.2kgで、TC-20Mと3kg強しか違いません。

●黒の顔料インクとカラー3色の染料インクを搭載
本製品は、黒はにじみにくい顔料インク、カラーは発色性の良い染料インクを搭載しています。インクカーリッジ式で、130mlと300mlのカートリッジに対応しています。測定条件が異なるので、他社製品との単純な比較はできませんが、A1カラー線画を高速エコノの設定で約26秒、約4.3円のコストで印刷できます。

DesignJet T830SE MFP A1モデル F9A28L#BCDの仕様

●価格
参考:21万9430円(税込み・Amazon 23/7/23現在)

●ランニングコスト
A1 CAD:約4.3円

●対応インクカートリッジ
HP728B 3WX30A ブラック 300ml
HP728 F9K17A シアン 300ml
HP728 F9K16A マゼンタ 300ml
HP728 F9K15A イエロー 300ml
HP728B 3WX26A ブラック 130ml
HP728 F9J67A シアン 130ml
HP728 F9J66A マゼンタ 130ml
HP728 F9J65A イエロー 130ml
※300ml 各約1万2800円~、130ml 各約6700円~(Amazon 23/7/23現在)

大判プリンター5機種のスペック比較表

製品名 SC-P8550DL
(エプソン)
SC-T3750E
(エプソン)
PRO-4100S
(キャノン)
imagePROGRAF
TC-20M
(キャノン)
T830SE MFP
A1モデル
(HP)
発売年 2023年 2023年 2020年 2023年 2021年
参考価格 88万1135円 43万7772円 75万9879円 13万1594円 21万9430円
本体
サイズ
(幅×奥行
×高さmm)
1848×499×975 1365×499×975 1593×766×1168 968×525×245 1098×629×320
印刷速度
(CAD)
約27秒(A1) 約1.0分(A1) 約26秒(A1)
印刷速度(ポスター) 約2.5分(B0) 約21秒(A1) 約1.9分(B0) 約1.9分(A1)
印刷解像度(dpi) 2400×1200 2400×1200 2400×1200 2400×1200 2400×1200
Wi-Fi
ロール紙 用紙幅(mm) 254~1118 254~610 152.4~1118 297~610 279~610
ロール紙 用紙厚(mm) 0.07~0.8 0.07~0.8 0.07~0.8 0.08~0.28
印刷コスト(CAD) 約11円(A1) 約18円(A1) 約4.3円(A1)
印刷コスト(ポスター) 約200円(B0) 約63円(A1) 約187円(B0) 約104円(A1)

***

2023年上半期に発売された大判プリンター3機種を、ライバル機2機種と共に紹介しました。

エプソンの2機種は、6色機でありながら上位機種並みの高画質を実現したプリンターで、キヤノンの1機種は、コンパクトなデスクトップタイプにスキャナ機能を搭載したプリンターです。それぞれに特徴がある製品なので、自分の用途に合った製品を選んでください。

なお大判プリンターで使用するロール紙は、松本洋紙店でもさまざまな製品を取りそろえて販売しています。詳細は以下のページでご確認ください。

松本洋紙店 ロール紙

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