2025年5月、リコーからA3カラー複合機RICOH IM C8010とRICOH IM C6510が発売されました。RICOH IM C8010は毎分80枚、RICOH IM C6510は毎分65枚の印刷が可能な生産性向上が期待できる製品です。
スキャナーの読み取り速度は両面300ページ/分で、従来機よりも向上していて、電子化を進めるためにも大いに役立ちます。
この記事では、発売されたばかりのRICOH IM C8010とRICOH IM C6510をご紹介します。
高性能のカラー複合機 RICOH IM C8010/C6510

RICOH IM C8010/C6510は、リコーのデジタルフルカラー複合機の中でも、上位モデルに位置付けられる機種です。高価な製品ではありますが、高い生産性とDX対応力を備え、セキュリティー機能や環境性能にも優れています。
大量の出力業務があり、生産性が高い複合機が必要な事業所。あるいはDXを推進するために、電子化業務を効率的に行える複合機を求めている事業所におすすめです。
なお、RICOH IM C8010とRICOH IM C6510の違いは、主に印刷速度やファーストプリントタイムなどで、その他の性能の多くは共通しています。
RICOH IM C8010/C6510の特徴
高速出力と短いファーストプリントタイム
RICOH IM C8010 は、毎分80ページ、RICOH IM C6510は毎分65ページの高速印刷が可能です。モノクロでもカラーでも、印刷速度は変わりません。

RICOH IM C8010のファーストプリントタイムは、モノクロ4.7秒、カラー6.2秒です。印刷待ちで業務が滞ることがありません。RICOH IM C6510のファーストプリントタイムは少し遅いのですが、それでもモノクロ4.9秒、カラー6.8秒の速さです。
ウォームアップタイムも短く、RICOH IM C8010は30秒、RICOH IM C6510は40秒です。スリープからの復帰時間は、それぞれ30秒と31秒。急いでプリント・コピーをしたい場合にも対応できます。
最大で8330枚の大量給紙が可能で、用紙対応力も高い
RICOH IM C8010/C6510は高速出力が可能ですが、その能力を十分に活かすには、十分な給紙枚数が必要です。頻繁に用紙切れになり、補充の手間が生じると、業務が滞ってしまうためです。
この点、RICOH IM C8010/C6510は、オプションのエアピック式A3LCT RT5150及び手差しトレイ BY502を装着した場合は、最大8330枚の給紙が可能です。

本体だけでも、4段の用紙トレイと手差しトレイに、合計2885枚を給紙できます。トレイ1はA4サイズ専用のトレイで、A4用紙を1040枚セットできます。トレイの左右に用紙がセットでき、右側の用紙がなくなると、自動的に左側の用紙が移動する仕組みです。
トレイ2~3には、封筒やハガキといった、さまざまなサイズの用紙をセット可能です。手差しトレイは、給紙トレイにはセットできないラベル紙や厚紙にも対応し、幅330.2mm、長さ1260mmまでの長尺印刷も可能です。
なお、長さ487.7mmを超える用紙を印刷するときは、オプションの長尺給紙ガイドが必要です。
充実したコピー・プリント機能
コピー・プリント機能として、2色コピー/2色プリント機能を搭載しています。カラー原稿を指定した2色で印刷する機能で、ランニングコストを抑えつつ、見やすい原稿を作成できます。
オプションで、私書箱プリントの機能も追加できます。私書箱機能を利用すると、印刷した文書は、いったん利用者それぞれの「私書箱」に保管されます。複合機の画面を操作するまで印刷されないので、印刷ミスや印刷物の取り違えを予防できます。
また、メディアプリント機能とスキャンtoメディア機能も搭載しています。メディアプリント機能は、USBメモリーに記録されたデータから、パソコンを経由せずに印刷できます。スキャンtoメディア機能は、スキャンしたデータを直接、メディアに保存できる機能です。
大量の原稿を素早く読み取れてDX化に役立つ新1パス両面ADF
RICOH IM C8010/C6510に搭載されているADF(自動原稿送り装置)は、両面原稿を一度に読み取れる新1パス両面ADFです。カラー原稿もモノクロ原稿も、両面原稿なら毎分300ページ、片面原稿なら150ページの速さで読み取れます。

名刺や領収書などの小さな書類の読み取りにも対応していて、電子化業務に非常に便利です。
さらに、オプションを追加すれば、読み取った原稿に済スタンプを押したり、スキャンした原稿の文字情報をOCR処理で埋め込んだりも可能になります。
高付加価値のPDFデータを作成できる
RICOH IM C8010/C6510では、高付加価値のPDFデータが作成できます。オプションのOCR変換モジュールを搭載すれば、スキャンした原稿の文字情報をデータ化して、PDFファイルに埋め込むことができます。
また、文字領域と写真領域を判別し別々に処理して、データが軽いクリアライトPDFを作成できます。長期保存を目的とした、国際標準規格PDF/Aに対応したファイルも作成可能です。
DX化を支える高いセキュリティー機能
DX化を進めるにあたって注意したいのが、データ漏洩のリスク。RICOH IM C8010/C6510には、最新の暗号化通信プロトコルTLS1.3に対応したり、ストレージなどの暗号化に使われるTPMがTPM2.0に対応したりと、セキュリティー機能が強化されています。
コピーやスキャン、プリント実行後に、本体に残ったデータを上書き消去する機能も備えています。オプションを追加すれば、逐次消去が可能になり、さらにセキュリティーが強固になります。
ICカードを用いた個人認証も可能
セキュリティーを高めるために、オプションで非接触ICカードを使った個人認証システムを導入できます。これを導入することで、印刷物の取り違えや取り忘れを抑制でき、セキュリティーを向上させます。

ユーザーごとに利用できる機能や権限を制限できます。
最新のセキュリティーが使えるRICOH Always Current Technology
セキュリティー上の脅威に備えるには、つねにソフトウェアを最新の状態にしておきたいところ。RICOH Always Current Technologyは、ネットワーク経由で複合機に搭載されたソフトウェアを更新して、最新の状態に保ってくれます。
また、RICOH Always Current Technologyがインストールされていれば、複合機に搭載された機能がバージョンアップされたときも、タイムリーに反映されます。サブスクリプション契約で、業務に必要なアプリケーションを追加もできます。
脱炭素社会・循環型社会の実現に役立つ機能・特徴
RICOH IM C8010/C6510は、環境性能も優れています。省エネの点では、カラーQSU(DH定着方式)という技術が採用されています。
レーザー複合機は、トナーを定着させる熱を発生させるために電力を消費します。RICOH IM C8010/C6510は、定着ローラーをIH技術で直接発熱させることで、省エネ性能を向上させつつ、スリープからの素早い復帰を実現しています。

CO2削減に関しては、省エネ性能の向上に加えて、再生プラスチックの使用率を上げることで、排出量を削減しています。脱炭素社会に貢献するRICOH カーボンオフセットサービスも利用可能です。
循環型社会の実現の点では、原材料に再生プラスチックを約34%使用しています。また鉄スクラップを再生した電炉鋼板も約32%使用しています。さらに、組み立て工場で使用する電力は、すべて再生可能エネルギー由来の電力で賄われています。
RICOH IM C8010/C6510の仕様
●価格
RICOH IM C8010 標準価格:572万円(税込)
RICOH IM C6510 標準価格:434万5000円(税込)
●対応トナーボトル
RICOH MP トナー ブラック C8003
RICOH MP トナー イエロー C8003
RICOH MP トナー マゼンタ C8003
RICOH MP トナー シアン C8003
※ブラック 5万3350円(税込)、カラー 3万1900円(税込)
※保守サービスで、スポット保守契約を選んだ場合。パフォーマンス契約の場合は、トナーの代金はパフォーマンスチャージに含まれます。
RICOH IM C8010とRICOH IM C6510のスペック比較表
製品名 | RICOH IM C8010X | RICOH IM C6510 |
---|---|---|
発売年 | 2025年 | 2025年 |
標準価格(税込) | 572万円 | 434万5000円 |
本体サイズ (幅×奥行×高さmm) |
750×880×1225 | 750×880×1225 |
質量 | 260kg以下 | 260kg以下 |
カラー印刷速度 (A4文書 毎分) |
80枚 | 65枚 |
モノクロ印刷速度 (A4文書 毎分) |
80枚 | 65枚 |
ファーストプリントタイム (A4カラー) |
6.2秒 | 6.8秒 |
ファーストプリントタイム (A4モノクロ) |
4.7秒 | 4.9秒 |
印刷解像度 (dpi) |
2400×4800 | 2400×4800 |
Wi-Fi | 〇 | 〇 |
自動両面印刷 | 〇 | 〇 |
最大用紙サイズ | SRA3 | SRA3 |
最大給紙枚数 (基本モデル) |
2885枚 | 2885枚 |
***
リコーの新作カラー複合機RICOH IM C8010/C6510を紹介しました。かなり高価な製品ですが、その分、高機能・多機能の複合機となっています。オプションを搭載すれば、さらに幅広い業務に対応できます。
高性能の複合機導入を検討されている方は、この記事を参考にしてください。
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