A3サイズのコピー・プリント・スキャン・FAXをまとめて1台でこなしたい。でも業務用レーザー複合機は高くて、ランニングコストも気になる――そんな法人・オフィスのニーズにぴったり応えるのが、ブラザーのA3インクジェット複合機 MFC-J7110CDW です。本記事では、スペック・ランニングコスト・実際の使い勝手まで、紙と印刷を専門に扱う松本洋紙店の視点でくわしく解説します。
MFC-J7110CDWは、ブラザーのビジネス向けA3インクジェット複合機シリーズのエントリーモデルです。プリント・コピー・スキャン・FAXの4機能をA3サイズまで対応し、インクジェットながら約30万ページまたは7年間という高耐久を実現しています。
「A3対応の業務機を導入したいが、レーザー機のような高額な初期投資は避けたい」という中小規模オフィスや士業・設計事務所などに向いた1台です。本体価格は実売3万円台後半(参考:約37,000円前後)から購入でき、同スペックのレーザー複合機と比べるとコストパフォーマンスに優れます。
ブラザー公式サイトの仕様をもとに、法人利用で特に重要な項目を整理しました。
| 項目 | MFC-J7110CDW スペック |
|---|---|
| 形式 | デスクトップ型 インクジェット複合機 |
| インク | 4色独立 顔料インクカートリッジ |
| 最大印刷サイズ | A3(297×420mm) |
| 連続印刷速度 | カラー約30.0ipm/モノクロ約31.0ipm(片面) |
| ファーストプリント | カラー約4.6秒/モノクロ約4.4秒 |
| 解像度 | 最大1,200×4,800dpi |
| 給紙容量 | トレイ1:250枚 + 多目的(背面)トレイ:100枚(A3まで) |
| 自動両面印刷 | 対応(最大A3) |
| ADF(自動原稿送り) | 最大50枚 |
| 製品寿命 | 約30万ページまたは7年間(先に達した方) |
| メモリ | 512MB |
| 無線LAN/有線LAN | 無線LAN対応(Wi-Fi Direct含む)/有線LAN非対応※ |
| 液晶パネル | 2.7型TFT タッチパネル |
| 本体サイズ(W×D×H) | 576×477×305mm |
| 本体重量 | 約20kg |
※有線LANが必要な場合は上位モデル(MFC-J7310CDW等)をご検討ください。
業務用プリンターの選定では、本体価格よりもランニングコスト(インク代)が長期的な費用を大きく左右します。MFC-J7110CDWは顔料インクを採用しており、耐水性・耐光性に優れながら、インク1本で長期間使用できる大容量タイプもラインナップされています。
| 印刷モード | 印刷コスト(1枚あたり) | 備考 |
|---|---|---|
| A4 モノクロ | 約1.8円〜 | XL大容量インク使用時 |
| A4 カラー | 約7.9円〜 | XL大容量インク使用時 |
※ランニングコストはブラザー公式算出条件(ISO/IEC規格準拠)に基づく参考値です。実際の印刷条件によって変動します。
顔料インクは1カートリッジで長期間使用でき、開封後も乾燥しにくい特性があります。月間印刷量が少ない部署でも、インク詰まりのリスクが比較的低いのがポイントです。また4色独立カートリッジのため、なくなった色だけ交換できるので無駄がありません。
モノクロ400枚 × 1.8円 + カラー100枚 × 7.9円 = 月額約1,510円(インク代のみ)
年間で約18,120円。本体代と合わせても2年以内に投資回収できる水準です。
MFC-J7110CDWの給紙構成は前面トレイ1段(250枚)+背面多目的トレイ(100枚)のシンプルな2系統です。同時にA4とA3の用紙をセットしておくことができ、コピー・印刷の都度用紙を入れ替える手間を省けます。
| 給紙トレイ | 容量 | 対応サイズ |
|---|---|---|
| 前面トレイ1 | 最大250枚(A4普通紙80g/m²) | A4・B5・A5・A6 他 |
| 多目的(背面)トレイ | 最大100枚 | A3まで対応・封筒・はがき・光沢紙も可 |
対応用紙の坪量(厚さ)は、普通紙で64〜120g/m²、インクジェット紙(コート紙)で64〜200g/m²、光沢紙は最大220g/m²まで対応。封筒・はがき・インデックスカードなどにも印刷できます。
インク交換・用紙補給が本体前面で完結するフロントオペレーション設計を採用しているため、壁際への設置も可能です。省スペースなオフィスでも導入しやすい構造です。
A3サイズまでコピー可能です。ファーストコピータイムはカラー約6.0秒、モノクロ約5.0秒。最大999枚の連続コピー、ページレイアウト(2in1・4in1・ポスターコピーなど)、両面コピー、ブックコピー(本の影補正)にも対応しています。
フラットベッドスキャン+ADF(最大50枚)の2方式に対応。スキャン速度は片面でカラー・モノクロともに約25ipm。スキャンしたデータをPDF・Eメール添付・FTP・ネットワークフォルダなどへ直接送信できる「スキャン to 機能」が充実しています。
Super G3対応で最大33.6kbpsの高速通信。PCからのFAX送受信(PCファクス)にも対応しており、受信したFAXをパソコンで確認する「みるだけ受信」も利用できます。電話帳は100件×2番号、順次同報は最大250件まで登録可能です。
| 機能 | 対応 | 主なポイント |
|---|---|---|
| A3コピー | ✅ | 両面コピー・ポスターコピー対応 |
| A3スキャン | ✅ | 最大295×429.8mm |
| ADF | ✅ | 最大50枚・傾き補正あり |
| FAX | ✅ | PCファクス送受信・みるだけ受信 |
| 両面自動印刷 | ✅ | A3まで対応 |
| スキャン to 機能 | ✅ | PDF/メール/FTP/ネットワークフォルダ等 |
MFC-J7110CDWはUSBおよび無線LAN(Wi-Fi)に対応しています。AirPrint・Mopria・Wi-Fi Directにも対応しており、スマートフォンやタブレットからも直接印刷が可能です。
本機(J7110CDW)は有線LAN非対応です。有線LANによるネットワーク接続が必須の場合は、有線LANに対応した上位モデル(MFC-J7310CDW等)をご検討ください。
対応OSはWindows 11/10・Windows Server 2022/2019/2016・macOS 13以降。ChromeOSはOS標準機能での印刷・スキャンに対応しています(macOSはAirPrint経由)。
紙専門店から見た MFC-J7110CDW の注目ポイント
顔料インクを4色すべてに採用しているのは、業務用途ではかなり重要なポイントです。染料インクと比べて水にぬれても滲みにくく、ハンコや修正液との相性も良好。社内書類・見積書・納品書など、手書きで追記する場面が多い用紙に印刷するなら顔料インク機を選ぶべきです。
また、坪量200g/m²の光沢紙まで対応しているのも特徴的です。カタログやポスターをA3で仕上げたい場面にも対応できます。ただし、特厚の封筒やイレギュラーなサイズ(A3ノビなど)には非対応ですので、特殊用紙を多用する印刷会社や写真スタジオには別機種をおすすめします。
「7年・30万ページ耐久」というスペックは、月1,000〜3,000枚程度の中規模オフィスであれば現実的に10年近く使える計算になります。廃インクパッド交換不要というのも、ランニングコストとメンテナンス負荷を抑える観点で評価できます。
| おすすめの職場・用途 | 理由 |
|---|---|
| 士業(税理士・司法書士・行政書士 等) | A3書類・FAX・スキャンをすべてカバー。顔料インクで押印しても滲まない |
| 設計事務所・建設業 | A3図面のコピー・印刷に対応。低ランニングコストで大量出力も安心 |
| 小規模オフィス・SOHOの共有機 | Wi-Fi共有で複数PCから使用可。初期費用を抑えたい場合に最適 |
| 医療・介護施設 | FAX受信・書類コピーを1台で処理。低騒音(約54.5dB)で診察室近くにも |
| 店舗・小売業のバックオフィス | POPやチラシをA3で印刷。光沢紙対応でクオリティが上がる |
ブラザー MFC-J7110CDWは、A3コピー・印刷・スキャン・FAXをまとめて低コストで使いたい中小オフィス向けの複合機です。顔料インク採用・30万ページ耐久・廃インクパッド交換不要という3つの特徴が、長期的なメンテナンス負荷とランニングコストを大幅に下げてくれます。
有線LANが不要でWi-Fi環境があれば、3万円台後半から導入できるコストパフォーマンスは、同スペックのA3対応機の中でもトップクラスです。


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