エコタンク搭載プリンターとは、プリンター本体に大容量のインクタンクを搭載した製品です。インクカーリッジを交換する方式のプリンターよりも印刷コストが安く、大量印刷に向いています。
この記事では、2025年7月に発売されたばかりのEW-M638T、EW-M678FTといったエプソンの新製品も含め、エコタンク搭載プリンターを紹介します。
エコタンク搭載プリンターにはどんな特徴がある?
冒頭で書いたとおり、エコタンク搭載プリンターは、カートリッジ方式のプリンターと比べて印刷コスト(インクコスト)が安い点が大きな特徴です。
カートリッジ方式であるEP-887Aの印刷コストは、A4カラー文書1枚約13.9円。それに対して、EW-M638TやEW-M678FTの印刷コストは約1.0円と1/14の料金で印刷できます。なお、モノクロ文書なら約0.4円とさらに安くなります。

低コストが魅力な一方、エコタンク搭載プリンターのほうが本体価格は高く、導入コストがかかります。印刷枚数が多くないと、トータルのコストはむしろエコタンク搭載プリンターのほうが高くなる場合もあります。
エプソン公式サイトには、エコタンク搭載プリンターのトータルコストが安くなる目安が記載されています。EW-M757TとEP-887Aを比較し、1年間にインクパックを1セット以上購入するか、500枚入りのA4コピー用紙を1セット以上購入すると、EW-M757Tのほうが総コストが安くなるそうです。
それ以外の特徴としては、色数が挙げられます。ビジネス向けのエコタンク搭載プリンターは、4色のインク(ブラック、マゼンタ、シアン、イエロー)が中心です。家庭向け製品の中には、5色や6色インクを搭載した機種もあります。逆に色数を捨てたモノクロ印刷のみの機種もあります。

インクの色数が多いと、印刷がより高画質になります。写真や年賀状を印刷するなら、こういった機種を選びましょう。一方、モノクロモデルは本体価格が総じて安く、文書のみが印刷できればよく、トータルコストを抑えたいならおすすめです。
このほかにも、エコタンク搭載プリンターには、インク補充の手間が少なかったり、環境負荷が小さかったりするメリットもあります。
エコタンク搭載プリンターの新作EW-M638TとEW-M678FT
EW-M638TとEW-M678FTは、プリンターとしての基本的な性能はほぼ同じ。わかりやすい違いとしては、EW-M638Tには搭載されていないADFやファックスがEW-M678FTに搭載されています。
そこで、この記事ではEW-M638Tを先に解説し、重複する性能以外の機能を中心に、EW-M678FTを解説します。
使いやすさが進化したEW-M638T

EW-M638Tは、新プリントヘッドの採用で過去のモデルよりも印刷速度が向上しました。また、インクタンクのデザイン変更でインクの補充も容易にり、使いやすさが進化しています。お知らせLEDや排紙トレイ自動オープン機能も便利です。
EW-M638Tの特徴
●低コストで印刷できるエコタンク搭載モデル
EW-M638Tの印刷コストは、A4モノクロ文書約0.4円、A4カラー文書約1.0円です。インクボトルは、カラーインクは約6500ページ、ブラックインクは約8500ページの印刷が可能となっています。

給紙トレイには、最大250枚の大量給紙が可能。インクに加えて、用紙交換の手間も少なくなっています。前面から用紙を補充できるので、背面にスペースを確保する必要もありません。
●大量印刷に適した印刷スピードと耐久性
EW-M638Tの印刷スピードは、A4カラー文書で毎分9枚、モノクロ文書で毎分18枚です。また、過去のモデルに比べて耐久性が5万ページから10万ページに大幅にアップしています。印刷待ちの時間が少ないうえに耐久性も高いので、毎日大量の印刷する人に適しています。
●インクタンクの形状変更でインク補充が簡単
ボディの前面にインクタンクが搭載され、タンク部分が独立したデザインに変更されました。スキャナーのフタを開けなくても、インクを補充できます。

メモリが付いたインク窓もあり、残量を一目で確認できます。
●お知らせLED、排紙トレイ自動オープンの機能を搭載
EW-M638Tは、本体の前面に「お知らせLED」が搭載されています。LEDは、ジョブ進行中は点滅し、エラーが発生すると点滅後に点灯します。プリンターの状態が、一目で分かるようになっています。

また、プリントを始めると排紙トレイが自動でオープンする機能を搭載しています。印刷開始時にトレイを引き出すためにプリンターのところまで行く必要がありません。
連続コピーやスキャンに便利なEW-M678FT

EW-M678FTは、プリンターとしての基本的な機能はEW-M638Tと共通です。印刷スピードや耐久性は同等で、お知らせLEDや排紙トレイ自動オープンの機能も搭載されています。
2機種の違いとしては、ADF(自動原稿送り装置)とファックス機能の2つです。こちらはEW-M678FTにのみ搭載されています。
EW-M678FTの特徴
●連続コピーやスキャンに便利なADF
EW-M678FTには、ADFが搭載されています。A4用紙30枚がセット可能です。

ADFを使用時のスキャンのスピードは、モノクロ・カラーともに毎分5ページです。自動両面読取もできます。
●高速電送可能でセキュリティーにも優れたファックス機能
EW-M678FTに搭載されたファックスは、最高速度33.6kbpsのスーパーG3対応で、高速電送が可能です。また、情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)が制定した、ファックスセキュリティのガイドラインFASEC1にも対応しています。
PCで作成したデータを一旦印刷することなく直接ファックスしたり、受信したファックスをPCで確認したりできるPCファックス送受信機能も搭載しています。
EW-M638T・EW-M678FTの仕様
●価格
EW-M638T 参考:3万9500円(税込み・Amazon 2025/8/20現在)
EW-M678FT 参考:5万2500円(税込み・Amazon 2025/8/20現在)
●ランニングコスト(EW-M638T・EW-M678FT共通)
A4カラー文書:約1.0円
A4モノクロ文書:約0.4円
●対応インクボトル(EW-M638T・EW-M678FT共通)
YAD-BK ヤドカリ® ブラック 127ml
HAR-C ハリネズミ® シアン 70ml
HAR-M ハリネズミ® マゼンタ 70ml
HAR-Y ハリネズミ®イエロー 70ml
※ブラック約2100円~、カラー約1100円~(Amazon 2025/8/20現在)
EW-M638TとEW-M678FTのスペック比較表
製品名 | EW-M638T | EW-M678FT |
参考価格 | 3万9500円 | 5万2500円 |
コピー・スキャン | 〇 | 〇 |
ファックス | × | 〇 |
本体サイズ(幅×奥行×高さmm) | 375×347×187 | 375×347×240 |
カラー印刷速度(A4文書 毎分) | 9枚 | 9枚 |
モノクロ印刷速度(A4文書 毎分) | 18枚 | 18枚 |
印刷解像度(dpi) | 4800×1200 | 4800×1200 |
Wi-Fi | 〇 | 〇 |
自動両面印刷 | 〇 | 〇 |
最大用紙サイズ | リーガル | リーガル |
最大給紙枚数 | 250枚 | 250枚 |
カラー印刷コスト(A4文書) | 約1.0円 | 約1.0円 |
モノクロ印刷コスト(A4文書) | 約0.4円 | 約0.4円 |
エコタンク搭載プリンターと、エプソンの新作プリンター2機種を紹介しました。本体価格はやや高めですが印刷コストは安く、大量にプリントするならお得なモデルとなっています。
印刷機能には大きな違いはないので、EW-M678FTに搭載されているADFやファックスの機能が必要か否かで判断すると良いでしょう。
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