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紙のコラム

【万年筆の三大沼】インクの種類や補充方式は3種類、どう選べばいい?インクの基本を解説

万年筆のインクの選び方をご紹介します

その魅力に気づいてしまうと、抜け出せないほど奥が深い万年筆の世界。その中でもインク選びは、万年筆の本体と並んで万年筆愛好家がこだわるポイントです。

この記事では、そんな万年筆のインクの種類や選び方など、万年筆インクの基本について解説します。万年筆を使っている人も、これから使ってみたい人も、ぜひ知っておきたい知識なので、チェックしてみてくださいね。

万年筆のインク補充方法は3種類

万年筆のインクを補充する方法には、「吸入式」「カートリッジ式」「コンバーター式」の3つのタイプがあります。

吸入式

最も古くから使われているタイプで、高級メーカーの万年筆にも多く使われています。インクにペン先を浸けた状態で軸の後ろ側をひねると、内部のピストンが上下して、インクを吸い上げます。

カートリッジ式

カートリッジ式の万年筆
樹脂製のカートリッジに1回補充量のインクが密閉されていて、万年筆にそれを差し込むことでインクが補充できます。カートリッジの交換が簡単で、外出先でもインクの補充ができるなどのメリットがあります。

コンバーター式

コンバーター式の万年筆
インクの吸い上げができるコンバーターをセットしたタイプの万年筆です。吸入式のような万年筆独自の楽しみができる一方、コンバーターを外してカートリッジを取り付けられるなど、吸入式とカートリッジ式の機能を兼ね備えた万年筆です。

万年筆のインクのタイプも3種類

万年筆のインクには「染料」「顔料」「没食子」の3つのタイプがあります。

染料インク

万年筆の染料インク
万年筆のインクでもっとも多いのが、発色のいい染料インクです。水に溶けやすい性質を持ち、ペン先などを洗ったときにもきれいに汚れが落ちます。その代わり、水ににじみやすいのでその点は要注意です。

顔料インク

顔料インクは書いたときに文字がにじまず、長く保管しても変色に強いのですが、水に溶けないので染料インクに比べるとお手入れがやや難しくなります。万年筆のあつかいに慣れた人が、重要な書類などに使うことが多いインクです。色のバリエーションは、あまりありません。

没食子インク

インクの中に、没食子酸・タンニン酸・鉄などを含み、紙に書いたあとに酸や鉄が空気に触れて酸化することで、色が変化するのが特徴です。といっても色が褪せるのではなく、青みがかった文字が徐々に黒くなっていきます。万年筆の中で酸化しないように、お手入れは必要になりますが、耐水・耐光性に優れたインクです。

染料インクは発色がいいので、いろいろな色を選べます。インクによっては混ぜ合わせることもできるので、オリジナルの色を楽しむのもいいでしょう。

顔料インクや没食子インクは劣化が少なく、長期保存する書類に適している一方で、色は黒やブルーブラックなどに限られます。よく使われているのは黒いインクですが、ブルーブラックも華やかで素敵です。

万年筆のインクを選ぶときの注意点

カートリッジの場合は、必ず万年筆指定のカートリッジを選ぶようにしましょう。メーカーによって、カートリッジの形状が違ったり、よく似ていても微妙に違うことで使えなかったり、インクが漏れたりすることがあります。

ボトル式のインクの場合も、できるだけ万年筆のメーカーに合わせたものを使ったほうが安心です。メーカーが違うものや、混ぜ合わせることを前提に作られていないインクを混ぜ合わせたりすると、成分が変質したり劣化して、万年筆の不具合や故障につながるので気をつけましょう。

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万年筆のインクは、使っている万年筆によって吸入式、カートリッジ式など補充のやり方が異なります。水性の染料インクや、油性の顔料インクなど、種類によっても異なるので、好みはもちろん、用途によっても選ぶインクは変わってきます。

こだわりだすと楽しくて抜け出せない万年筆インクの沼に、あなたもはまってみませんか?

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