紙のコラム

同じLEDなのに値段が違うのはなぜ?LEDにすると何が違うの?今さら聞けない電球の疑問

電球

LED電球もすっかり普及し、家庭やオフィスの照明器具に使うケースも増えてきました。寿命が長くコスパもいいLED電球ですが、同じLEDと表示されていても、値段の差が大きいのが悩ましいところ。従来の電球とはどれくらい値段が違って、どれを選んでいいかわからない人も多いのでないでしょうか。

この記事では、LED電球の明るさや消費電力、その値段などを詳しく解説していきます。LED照明器具を導入する際の参考にしてみてください。

LED電球の明るさ基準とは

光る電球
従来は電球の明るさを「ワット(W)」で表示していました。しかし、来ワットとは明るさではなく、消費電力を表す単位です。白熱電球は、消費電力が高いものほど明るかったので、ワットが目安になっていたのです。

一方、LEDは消費電力が少ないため、これまで一般的に使われていた60W電球と同程度の光量を得るために必要な電力は8W程度です。そのため、LED明るさ表記には、光量を表す単位である「ルーメン(lm)」が使われています。とはいえ、消費者にルーメン表記は馴染みがないため、現在販売されているLED電球の多くは、ルーメンでの表記に加えて「〇〇W相当」と表示されています。

LED電球に表示されているV数とは

LED電球には「100V40W相当」「110V60W相当」などの表示がされています。この、40Wや60Wといった明るさの目安の前に書かれているのが100V、110Vといったボルト数です。

ボルト数は電圧を表しており、日本の家庭向け電力は、基本的には100Vでの供給がされています。地域によっては、110Vでの供給がされているところもあります。いずれにしても、100V、110Vどちらの電球を使っても大きな問題はありません。

ただし、「110V60W相当」は110Vの電圧を流したときに、60W相当の明るさになるという意味なので、100Wの電圧で使うと多少、暗く感じます。その分、消費電力も少なくすむので、寿命は通常よりも長持ちします。とはいえ、そこまでの差ではないので、それほど気にする必要はありません。可能であれば、その地域に供給されている電圧のものを選ぶとよいでしょう。

LED電球は高い?

一般的に、LED電球は従来の白熱電球や蛍光灯よりも値段が高いと言われています。確かに値段だけを見るとLED電球は高価で、40~60W相当のもので1,800円程度が平均価格になります。ただし、LEDが登場した頃に比べると、最近は値段も徐々に下がり、商品によっては数百円で購入することもできます。

例えば、良品計画の「無印良品」のサイトでは、数種類のLED電球が取り扱われ、同じ「40形相当(口金:E17)」でも税込み299円のものもあれば、税込み2,283円のものもあります。

無印良品【パーツ】LED電球・40形相当 (口金:E17) 出典:無印良品公式ホームページ

こちらが、税込み2,283円のLED電球です。商品写真には「Panasonic」の文字があり、国産メーカーの製品であることがわかります。Panasonicのサイトから、この無印良品の電球がPanasonicの製品であることが、型番を使って調べられます。なお、メーカーの商品ページではオープン価格となっていますが、無印良品の販売価格である税込み2,283円は、同社の他の製品と比較しても相場であることがわかります。

LED電球 40形相当 昼白色(口金:E17) 出典:無印良品公式ホームページ

こちらは、無印良品のページにて、税込み299円で販売されているLED電球です。40形相当であること、定格寿命が40,000時間であることなどはPanasonic製のものと変わりませんが、原産国・地域には「中国」と表示されています。製品の詳細な構造は商品ページからはわかりませんが、中国製であることが価格の差に関わっているようです。

このように、同じ明るさのLEDの電球でも、商品によって価格はかなり異なります。安全性を求めて高額の国産メーカー製を選ぶ人もいれば、価格重視で安いものを選ぶ人もいるでしょう。一概にどちらが良いとは言えなそうです。

LED電球はコスパがいい?

単純な価格を比較すると、従来の電球に比べて高額なLED電球ですが、消費電力が低いことに加えて、長寿命というメリットがあります。以下、従来の電球にないLED電球のメリットを挙げていきます。

電気代が安い
電球とお金
消費電力が低ければ、電気代は安く済みます。例えばPanasonicでは、従来の蛍光灯に比べて一般タイプのLED照明の場合、約51%。省エネタイプのLED照明なら、約60%の省エネになるデータを公式サイトにて公開しています。

たくさんの照明器具を取り付けている家やオフィスなら、すべての照明をLEDに変えることで、大幅な電気代の削減につながるでしょう。

寿命が長い
LED電球のもうひとつのメリットは、寿命が長いことです。

一般的な従来型電球の寿命は1,000時間程度ですが、LED電球は約40,000時間。従来型電球の40です。一度LED電球の電球を購入すれば、通常の電球の40個分になるので、かなりのお得感があります。

電気代の節約に加え、寿命まで考慮すると価格も安い。従来の電球よりも、コスパ面でLEDが優秀であることがわかります。

今後、蛍光灯はなくなる?

蛍光灯
蛍光灯には、少量ですが水銀が使われています。そのため、2023年に行われた水銀に関する水俣条約第5回締約国会議で、すべての一般照明用蛍光ランプの製造・輸出入を2027年末に廃止することが決まりました。

それ以降、蛍光灯が使えなくなるわけではありませんが、製造終了となるため、新しく交換用の蛍光灯を買うことは難しくなります。そのため、蛍光灯の交換時期と合わせて、LED照明への設備の変更が必要になってくるでしょう。

【参考】
2025年の紙業界の動向と値上げの影響や紙からデジタルへの移行とPDFの普及の話

中小企業向けの補助金も

電気を取り付ける人
企業が蛍光灯からLED照明への切り替えをするにあたり、補助金が利用できる場合もあります。全国の企業を対象にした経済産業省による省エネルギー投資促進支援事業費補助金や、都道府県が設けている助成金などです。

例えば東京都では、ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業として、事業所のLED導入の助成を実施しています。

オフィスや工場のLED化を進める前に、まずは申請できる助成金がないかチェックしてみましょう。

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将来的な蛍光灯の廃止もあり、いまや照明にLED電球を使うことはあたりまえになってきています。コスパを考えてもLED電球の導入はメリットが大きいのですが、同じLED電球でも価格差があり、どれを買えばいいのかは悩ましいところです。導入規模や安全性などを考慮しながら、目的にあったLED照明を選びましょう。

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