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印刷ネタ

実験してみた・レーザー専用ラベル(MSアートラベル・MS光沢ラベル)をインクジェットプリンターで印刷できる?

「レーザープリンター専用のラベル用紙を、インクジェットで印刷できますか?」——そんなご相談、実は松本洋紙店にもたまに届きます。
答えは通常回答として「インクが乾かないので難しいです」なのですが……実はちょっとした条件を満たせば、カラー印刷なら意外といけることがわかりました。
今回は店長松本が実際にテストした結果をそのままご報告します。完璧な仕上がりではありませんが、「とりあえず住所シールが欲しい」くらいなら十分使えるかもしれません。(*推奨していません)

MSアートラベル・MS光沢ラベルとは?

MSアートラベル・MS光沢ラベルは、もともとレーザープリンター(トナー印刷)専用として設計されたシール用紙です。レーザー機の熱でトナーを定着させることを前提にしており、インクジェット用のインク吸収コーティング(インク受容層)は施されていません。

そのため一般的には「インクジェットで印刷するとインクが乗らない・乾かない」とされており、松本洋紙店でもお客様へのご案内はそのようにしています。

今回インクジェット印刷テスト(実験)の概要
項目 内容
使用プリンター Brother DCP-J988N(4色染料インク)
テスト用紙① MSアートラベル(レーザー専用)
テスト用紙② MS光沢ラベル(レーザー専用)
印刷内容 各色ブロック・テキスト(住所・簡易イラスト)
確認方法 印刷後に指で擦り、乾き具合・にじみ・剥がれを確認

テスト結果:カラーインクなら「そこそこ」いける

結論から言うと、黒インクは乾燥の点から完全にNG、カラーインクは条件次第でそこそこ実用になるという結果でした。

黒インクで印刷した部分は、印刷後に指で軽く擦るだけでふやけて広がってしまいました。これは予想通りの結果です。

一方でカラーインク(特に青系)は、濃度と色によっては乾きが良く、指で擦っても大きく崩れませんでした。文字の端にわずかにじみ・かすれがある部分もありましたが、住所や簡単なイラストが読める状態で定着していました。

⚠️ 注意:これはあくまで松本が行った一例のテスト結果です。プリンターの機種・インクの残量・室温・印刷設定などによって結果は大きく変わります。実際に試される場合は自己判断・自己責任でお願いします。


カラー印刷テストの実例(にじみ・定着状態の確認)

乾きやすかった色・乾きにくかった色
インク色 乾き具合 コメント
黒(ブラック) ❌ NG 擦るとふやけて広がる。実用不可
濃い青(ネイビー系) △ やや難 インク量が多いためか、やや乾きが遅い
水色〜青の中間 ◎ 比較的良好 インク濃度が適度で乾きやすい。今回の”推しカラー”
その他カラー全般 ○〜△(色による) 薄めの色ほど乾きやすい傾向あり

ポイントはインクの濃度(色の深さ)です。濃い色ほどインクの量が多くなり、インク受容層のないレーザー用ラベルでは乾きが遅くなる傾向があります。薄め・明るめの色の方が乾きやすい印象でした。

色ごとの乾き具合の比較テスト

MSラベルとMS光沢ラベルの比較(インクジェット印刷時)
比較項目 MSアートラベル MS光沢ラベル
本来の対応プリンター レーザー専用 レーザー専用
表面の質感 半光沢 光沢あり
インクジェット時のカラー発色 普通 普通
インクの乾き(カラー) まあまあ まあまあ
黒インクの乾き
簡易シールとしての実用性 △〜○ △〜○

今回のテストでは、MSラベルとMS光沢ラベルで大きな差は感じられませんでした。どちらも「カラーなら意外といける、黒はダメ」という同じ傾向でした。

🏪 松本洋紙店 独自コメント

正直に言うと、このテスト結果は私自身も驚きました。「レーザー専用=インクジェット完全NG」と思い込んでいたので、カラーインクがそこそこ乾いたのは発見でした。

ただし「くっきりきれいに印刷できる」わけではありません。文字の端のにじみや、プリンターローラーによる擦れのような跡が出ることがあります。あくまで「住所を書いたシールを手で貼る代わりに使いたい」「簡単なイラストのラベルを作りたい」くらいの用途で、許容範囲かどうかはご自身で判断いただく必要があります。

インクジェット専用のラベル用紙を使えばこういった問題は起きませんので、品質重視の用途にはそちらをおすすめします。今回ご紹介したのはあくまで「半光沢のシールに印刷したい。コスト重視で印刷したい時の裏ワザ手段」としてご参考ください。

よくある質問(FAQ)
Q1. MSラベルをインクジェットで印刷すると必ずインクが乾かないのですか?
必ずというわけではありません。黒インクは乾きにくいですが、薄めのカラーインク(特に水色〜青系)は条件次第でそこそこ乾くことがあります。ただし保証はできません。
Q2. どのプリンターで試しましたか?
Brother DCP-J988N(4色染料インクジェット)で試しました。顔料インクや6色機では結果が異なる可能性があります。
Q3. MS光沢ラベルとMSアートラベルで結果は違いますか?
今回のテストでは大差はありませんでした。どちらもカラーならそこそこ、黒はNGという同傾向でした。
Q4. なぜカラーインクは乾くのに黒インクは乾かないのですか?
詳細なメカニズムは不明ですが、黒インクは他の色に比べてインク量(顔料・染料の濃度)が多い傾向があり、インク受容層のないレーザー用紙では定着しにくいと考えられます。
Q5. 住所シールとして実用的に使えますか?
カラー文字であれば、簡易的な住所シールとして使えるケースがあります。ただしくっきり鮮明とはいかないため、見た目の品質にシビアな用途(商品発送の正式なラベルなど)には向きません。
Q6. インクジェット専用のラベル用紙はありますか?
はい。インクジェット対応のラベル用紙であれば、黒文字も含めてきれいに印刷できます。品質を求める場合はそちらの使用をおすすめします。MS上質ラベルであればインクジェットも対応しています。

まとめ
ポイント 結論
黒インクでの印刷 ❌ 乾かない。NG
カラーインク(薄め)での印刷 ◎ 条件次第でそこそこ実用になる
仕上がりの品質 △ くっきりではなく、にじみ・かすれあり
おすすめの用途 住所シール・簡易イラストラベルの代用
使用プリンター Brother DCP-J988N(4色染料)で検証
注意事項 あくまで自己判断・自己責任でお試しください

レーザー専用ラベルをインクジェットで使うのは「邪道」ですが、知っておくと緊急時に役立つかもしれない裏技です。松本洋紙店では本来の用途に合ったラベル用紙もご用意していますので、ご興味があればぜひご覧ください。コチラ